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弁護士による個人再生

「個人再生ができるための条件」に関するお役立ち情報

2回目の個人再生

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年7月10日

1 2回目の個人再生について

2回目の個人再生をすることも、民事再生法上、禁じられてはいません。

そのため、再度の個人再生をすること自体は可能です。

2 小規模個人再生手続きにおいて債権者に反対された場合

個人再生手続きは、厳密には「小規模個人再生」と「給与所得者再生」に分かれます。

小規模個人再生の場合には、総債務額の2分の1以上かつ総債権者の過半数の賛成がなければ再生計画案が認可されません。

例えば、債権者Aが300万円、債権者B、Cがそれぞれ100万円ずつ合計500万円の債権だった場合、Aだけ反対すれば総債務額500万円の半分である250万円以上の賛成が得られないことになりますし、Aが賛成でも、BとCが反対すれば、債権者3名のうち過半数の賛成を得られていないことになりますので、認可を受けることができません。

上記のように、小規模個人再生において提出した再生計画案の認可が得られず手続きが終了してしまった場合、債権者の賛否を問う必要のない給与所得者等再生の申立てを行い、個人再生に再度臨むこととなります。

3 1回目の個人再生における再生計画案の認可決定確定後、再度個人再生の申立てをする場合

⑴ どのような事例か

当初の個人再生における再生計画案は無事に認可されたものの、返済中に別の借入れを行い、これが返済できなくなってしまったような事例が想定されます。

このような場合に再度個人再生の申立てを行うことには、以下のようなリスクが伴います。

⑵ 給与所得者等再生が利用できないおそれがある

1回目の個人再生を行った際の手続きの種類が給与所得者等再生であった場合、再生計画案の認可決定確定後7年以内に再度の給与所得者等再生の申立てをすることはできません。

この場合、給与所得者等再生が認められなかった際には小規模個人再生手続の開始を求めるという内容の申立てをしていれば、小規模個人再生手続によって個人再生を進めることができる可能性があります。

一方で、給与所得者等再生のみを求める申立てをしていた場合には、申立てが棄却されてしまいます。

⑶ 個人再生委員が選任される可能性がある

例えば、名古屋の裁判所においては、個人再生委員は通常は選任されません。

借入れの経緯や難しい法律問題がある場合等、ごく例外的な事案においてのみ個人再生委員が選任されることになっています。

しかし、2回目の個人再生の事案においては、なぜ再度の個人再生が必要であるのかを審査するとともに、今後返済をしていくことが本当に可能であるのかどうかを確認する必要があると裁判所が判断する可能性が高いと思われます。

個人再生委員が選任された場合、平日の昼間に裁判所に出頭する必要があることや、個人再生委員の費用として15万円~20万円程度かかるといった負担が発生してしまいます。

4 個人再生をお考えの方へ

2回目の個人再生は負担が大きく、小規模個人再生において再生計画案が債権者に反対されてしまうような事態は事前に想定しておかなければなりません。

どのような事案で債権者による反対のリスクがあるのかという点は、個人再生に手慣れた弁護士は熟知していますが、そうでない弁護士が詳しいとは限りません。

個人再生をお考えの方は、個人再生事件に力を入れている当法人にご相談ください。

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