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個人再生をする場合の配偶者への影響

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年12月18日

1 配偶者にどのような影響があるのか

個人再生手続を行おうと思う際に、気になるのは家族、特に配偶者に悪影響を及ぼしてしまうのではないかということかと思います。

結論的には、個人再生を含む債務整理は、債務者個人の債務と財産に対して整理等を行うものですので、配偶者に直接影響を及ぼすことは基本的にはありません。

ただ、全く影響がないとは言い切れない場合もありますので、以下、具体的に解説していきます。

2 配偶者の信用情報について

信用情報は、家族であるかは関係なく、あくまでも個人の情報ですので、いわゆるブラックリストと呼ばれる事故情報が配偶者にまで及ぶことはありません。

3 配偶者が保証人になっている場合

配偶者が、再生手続きの対象となった債務の保証人となっていた場合には、債務者が個人再生手続を行うことにより影響を受けます。

個人再生手続をとった場合、債務が減額され、住宅資金特別条項を利用した場合の住宅ローン債務以外は、全額の支払義務がなくなります。

配偶者が保証人となっている場合、保証人は、債務者に代わって返済義務を負うこととなりますので、個人再生手続を行う旨を債権者に連絡すると、債権者から保証人である配偶者に対し、返済を求める連絡がなされます。

債務額によっては、配偶者自身も債務整理を行う必要が出てくるため、配偶者が保証人になっている場合には、影響を及ぼすと言わざるを得ません。

4 配偶者が保証人になっていない場合

配偶者が保証人となっていない場合には、たとえ夫婦であっても、基本的には、他方配偶者が負った債務につき返済義務はありませんので、配偶者に影響を及ぼすことはほとんどないといえます。

ただ、以下の場合には、影響を及ぼすこともありますので、注意が必要です。

⑴ 家族クレジットカードについて

債務者が契約したクレジットカードの家族カードを使用していた場合、債務者が個人再生手続に入ると、家族カードが使えなくなります。

そのため、日常生活において、家族カードを使用していた場合には、影響を及ぼすことになってしまいます。

⑵ 配偶者個人名義のクレジットカードについて

上記2のとおり、信用情報は、個人の問題ですので、一方の配偶者が個人再生手続を行ったからといって、もう一方の配偶者自身が事故情報等になっていなければ、クレジットカードを作成・利用することはできます。

その意味においては、影響はないものといえます。

ただし、配偶者自身が専業主婦である場合などは、場合によっては、一方の配偶者の収入や信用情報によってカードが作成・利用できていることもありますので、その場合には、影響は全くないとは言い切れないこともあります。

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