「手続開始後の問題点」に関するお役立ち情報
個人再生を依頼した後に離婚をする場合の問題点
1 個人再生と離婚
個人再生をする際に、離婚することは問題にはなりません。
しかし、離婚に付随する財産分与や慰謝料の支払い、養育費の支払い等については、その内容によっては個人再生を行うことが難しくなることもあります。
また、離婚することによって、家を出ることになるような場合は、住宅資金貸付条項を利用することができなくなるおそれがあります。
2 離婚に伴う財産分与と個人再生
離婚によって財産分与を行う場合、それが民法768条3項の規定の趣旨に反して不相当に過大・過少である場合には、財産が離婚した相手方にある場合であっても、清算価値に組み込まれてしまう可能性もあります。
3 離婚に伴う慰謝料請求権
離婚によって慰謝料請求権が発生している場合、個人再生をする側が請求権者である場合には、相手方からの回収可能性にもよりますが、原則としては清算価値に組み込まれ、個人再生によって支払うべき弁済額が増える可能性があります。
また、個人再生をする側が債務者の場合、非減免債権であれば、債権者が増えるだけになりますが、同時に、再生計画履行後に残額を返済できる見込みがあるかどうかが問題となります。
その際、返済できる見込みがないと判断されると、個人再生自体ができなくなってしまうおそれがあります。
4 離婚に伴う養育費
離婚することによって養育費等の支払いが合意されることがあります。
養育費をもらう側が個人再生をする場合、収入が増えることになり、履行可能性が認められやすくなる可能性があります。
一方、養育費等の支払義務者が個人再生を行う場合には、養育費等の支払いと個人再生の再生計画に基づく支払いを並行して行っていくことができるかどうかが、履行可能性の判断時に問題となります。
仮に離婚時には、養育費について決まっていなかったとしても、再生申立と離婚の時期が近く、未成年の子がいるような場合には、今後、養育費等の請求がされない見込みであること、もしくは、仮に請求されたとしても再生計画に基づく支払いと並行して支払っていくことができることを裁判所に示す必要があります。
5 離婚に伴う転居
住宅資金貸付条項を利用し、住宅ローンの支払いを継続するためには、当該住宅に住んでいること、将来住む予定があることが必要になります。
そのため、離婚に伴い、住宅ローンの抵当権が付している住宅から転居することになるような場合には、個人再生をしても住宅が残せなくなってしまうおそれがあります。
6 問題点は個別の事情により異なります
以上が、個人再生を依頼した後に離婚をする場合の問題点となります。
ただ、これはあくまで一般的な話であり、個別の案件ごとにその他の点が問題になることもあります。
弁護士法人心では、個人再生などの借金についての相談は無料で承っております。
個人再生を検討されている方や離婚による個人再生手続きへの影響が気になる方は、ぜひ、当法人へご相談ください。
個人再生依頼後に新たに債権者が見つかった場合 個人再生中に一部の債権者にだけ返済した場合