「手続開始後の問題点」に関するお役立ち情報
個人再生依頼後に新たに債権者が見つかった場合
1 個人再生の申し立て前に新たに債権者が見つかった場合
個人再生を申し立てる際は、小規模個人再生か給与所得者等再生であるかにかかわらず、借金等をしている債権者全員を記載した債権者一覧表を提出することが義務付けられています。
そのため、申立ての準備開始当初は認識していなかった債権者が、申立前に新たに見つかった場合には、債権額等を確認したうえで、従前、確認していた債権者とともに債権者一覧表に記載し、個人再生を申し立てることになります。
2 個人再生の申し立て後に新たに債権者が見つかった場合
それでは、申立後に新たな債権者が見つかった場合は、どのように対処することになるでしょうか。
申立後、開始決定がなされて、その旨が掲載された官報を確認した債権者が個人再生を開始したことを知り、債権の届出期間内に債権を届け出た場合には、個人再生の手続き上は問題ありません。
ただ、このようなことは、実務上は極めて稀であると思われます。
手続き上は問題ないとしても、新たな債権者が債権届け出をすることで、総債権額が増えることにより、再生計画に基づく弁済額が増加し、再生計画後の履行可否が問題となる可能性はあります。
他方、債権の届出期間内に債権が届けられることなく、個人再生の手続きが進んでいった後に、債権者一覧表に記載されていない債権者がいることがわかった場合、どのようなことが考えられるでしょうか。
債権者一覧表に記載しなかったことが、意図的であると判断された場合には、再生手続または再生計画が法律の規定に違反し、かつその不備を補正することができないものである、もしくは、再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったものとして、再生計画が認可されないということもありえます。
また、届出がなかった債権についても、再生債権者の責めに帰することができない事由によって届け出ができず、付議決定までにその事由が消滅しなかった債権者については、一般的基準に従った変更がされるものの、それを一般弁済期間中に上乗せして支払う必要が生じ、履行可能性に問題が生じることもあり得ます。
実情としては、個人再生を申し立てる債務者の方は、比較的多数の債権者に債務を有していることが多いです。
そして、何年も自転車操業等(ある債権者から借り入れた金銭を、他の債権者に返済に用いること)をしていることも多く、どの債権者から借り入れたかがわからなくなってしまっていることもあります。
その結果として、債権者一覧表に記載しきれない債権者が発生してしまうということがあります。
3 債権者に該当するか分からなくてもご相談可能です
このように、債権者がいるということが分かったことが、申立前であれば問題はありませんが、申立後になると、どんどんリスクが生じることになります。
また、債権者が増えることにより、再生計画に基づく弁済額も増える場合には履行可能性にも影響を与えるので、個人再生申立の履行テストのための積立額についても変更する必要等が生じることもあります。
そのため、債権者については、そのすべてを相談時に弁護士に伝える必要があります。
また、預金通帳の引き落としの履歴などを確認し、漏れている債権者がいないかをチェックすることも大切です。
個人再生をするうえでの債権者に該当するかどうかわからないような場合についても、相談時に弁護士に確認をするのがよいでしょう。
個人再生をお考えの方は、ぜひ、弁護士法人心にご相談ください。
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