「東海地方にお住まいの方」に関するお役立ち情報
四日市で個人再生をお考えの方へ
1 四日市にお住まいの方のご相談について
当法人は、近鉄四日市駅から徒歩1分のところに事務所を構えています。
個人再生のご依頼も承っておりますので、まずはお気軽に相談希望の旨をご連絡ください。
当法人は弁護士の「担当制」を用いており、債務に関するお悩みにつきましては、個人再生等の債務整理案件を集中的に取り扱い、日々知識や経験を積み重ねている弁護士が担当させていただきます。
適切かつスピーディーな解決を目指して対応いたしますので、四日市で個人再生をお考えの方はどうぞ当法人までご相談ください。
また、四日市の事務所には個室の相談室を設けております。
プライバシーに配慮した環境でご相談いただけますのでご安心ください。
2 個人再生とはどのようなものか
個人再生というのは、裁判所に申し立てて行う手続きで、認められることによって多くの場合大幅に借金を減らすことができます。
また、住宅資金特別条項を利用することにより、住宅ローンの支払いは今までどおり続けるという形で、お住まいを手放さずに生活を立て直せる場合があります。
債務がすべてなくなるというわけではありませんが、生活の拠点を維持できる可能性があることや、資格制限がないことなどから、個人再生を選ばれる方もいらっしゃいます。
3 個人再生をするとどうなるか
個人再生をすると具体的にどの程度返済額が減るのか、個人再生後の生活にはどのような影響が出るのかということについては、個々の債務状況等によって異なります。
そのため、まずは個人再生に詳しい弁護士に具体的な状況を伝えて、今後の見通しや個人再生手続きの流れ等について説明を受けることをおすすめします。
当法人では、原則相談料無料という形で、個人再生に関するご相談を承っています。
お話しいただいた状況をもとに、個人再生についてのご説明やご質問へのご回答を丁寧に行わせていただきますので、お気軽にご相談ください。
近鉄四日市駅から弁護士法人心へのアクセスについて
1 南改札口へ向かいます
近鉄四日市駅で下車し、南改札口へ向かってください。
改札外にあるCAFFÉ CIAO PRESSOが目印です。
2 西出口から外に出ます
南改札を出てまっすぐ進むと、右手に西出口へつながる階段が見えますので、下りてください。
西出口から外へ出られます。
3 正面の建物の3階に当事務所があります
階段を降りたら、正面ロータリーの向こうに、STAFF BRIDGEの青い大きな看板と、「弁護士法人 心」という当法人の看板が見えます。
その看板を掲げているビルの3階に、当事務所があります。
お車に気を付けて横断歩道を渡り、お越しください。
津で個人再生をお考えの方へ 桑名にお住まいで個人再生を検討中の方へ
当法人の事務所はいずれも駅の近くにあり、四日市にお住まいの方にもご利用いただけるかと思います。詳細な所在地などはこちらからご確認をお願いいたします。
個人再生に向いている人、向いていない人
1 個人再生とは
個人再生とは、裁判所の手続きを利用して、借金を減額する債務整理手続きです。
減額した借金は、原則3年(最大でも5年)かけて返済します。
自己破産とは異なり、住宅、保険、自動車を所有したまま手続きを行うことができます。
手続き自体が複雑のため、弁護士をとおし手続きを行うことが一般的です。
2 個人再生に向いている人
住宅ローンを返済中の場合は、個人再生に向いています。
個人再生の場合、住宅ローン以外の借り入れを手続きの対象をします。
住宅ローンを払って自宅を残す場合は、現在、本人が居住している、建物の床面積の2分の1以上が居住用である等、いくつかの条件を満たしている必要があります。
また原則3年かけての返済のため、毎月定期的なの収入があることが必要となります。
自己破産とは異なり、職業の制限もありません。
自己破産をすると職場に迷惑をかけてしまうと心配している警備員や保険外交員の方でも、個人再生をすることはできます。
個人再生の場合、自己破産とは異なり、借入の理由によって免責不許可事由など、裁判所に手続きを認められないことがありません。
借入理由に無駄づかいが多くて自己破産に不向きの人も利用できます。
3 個人再生に向いていない人
手続き後に返済する必要があるため、収入が無い人、専業主婦や定年した人は、個人再生に不向きです。
自己破産同様に、官報に掲載されるため、家族や他人に知られたくない人も不向きです。
個人再生を行うことで、信用情報機関に事故情報が掲載されるため、今後クレジットカードの審査やローン審査が通らなくなるため、クレジットカードの利用を希望されるかたも難しいです。
もっとも、自己破産を行った場合もクレジットカードの審査やローン審査が通らなくなります。
4 まずはご相談を
四日市周辺で、個人再生を検討されている方は、弁護士法人心へご相談ください。
お客様一人一人の状況を確認させていただき、弁護士より、詳細なご説明をさせていただきます。
個人再生をした場合の生活への影響
1 ローン審査やクレジットカードを作成できなくなる
個人再生をすると、信用情報機関に事故登録されます。
一般的に、ブラックリストに載ると呼ぶ方もいらっしゃいますが、正しくは、信用情報に登録されることを指します。
信用情報機関とは、CIC、JICC、全国銀行協会の3つがあります。
消費者金融やクレジットカード会社、銀行等の貸金業者は、信用情報機関に登録し、登録している貸金業者間で、債務者の情報について登録、調査しています。
いつ誰にいくら貸しているか、延滞している、債務整理をした等の情報を提供し、登録しているものです。
貸金業者などは、ローンの審査の際に、信用情報機関に問い合わせ、事故情報等について確認しています。
信用情報機関へ事故登録されると、ローン審査や新たにクレジットカードを作成することがほぼできなくなります。
住宅ローンの審査がとおらない、自動車を一括現金払いでなければ購入できない可能性があります。
なお、掲載は一定期間(各社により異なる)が終われば、事故登録は消されますので、ローン審査やクレジットカードの作成はできます。
2 官報に掲載される
個人再生をした場合、官報に掲載されます。
一般的に官報を見ている人は少ないですが、確認をすると掲載されているため、一概に秘密にできるわけではありません。
3 家族への影響
個人再生を申立てする当事者以外は、原則、影響はありません。
家族の方が当事者の家族カードを所有している場合は、使えなくなります。
家族の方が連帯保証人になっている場合は、保証人へ請求されるため影響があります。
また、お子様の奨学金の申請等の際に、個人再生中の方が連帯保証人になることが難しくなります。
上記1のように、信用情報に事故情報が登録されているため、審査が通らない可能性があるからです。
4 まずはご相談を
四日市周辺で、個人再生を検討されている方は、弁護士法人心へご相談ください。
弁護士より、詳細なご説明をさせていただきます。
個人再生をした場合の債務額
1 個人再生とは
個人再生とは、裁判所をとおして借金を大幅に減額してもらう手続きです。
個人再生の場合、減額した債務を3~5年かけて返済します。
自己破産の場合も、裁判所をとおして手続きをしますが破産の場合は借金の支払い義務がなくなります。
2 まずは借入額を確認
個人再生は、住宅ローンを除いて総額5000万円以下でなければ手続きをすることはできません。
任意整理のように一部の債権者を除外することもできません。
また、裁判所から手続きの開始の合図である、開始決定が出る日までの利息、遅延損害金も含まれます。
3 最低弁済額
個人再生は、借入の総額によって最低弁済額も異なります。
法律で定められている最低弁済額は、下記となります。
借入総額 | 最低弁済額 |
100万円以下 | 全額 |
100~500万円以下 | 100万円 |
500~1500万円以下 | 借金総額の1/5 |
1500~3000万円以下 | 300万円 |
3000~5000万円以下 | 借金総額の1/10 |
4 清算価値保障の原則
個人再生の場合、自己破産とは異なり一定の財産を所有したまま手続きをすることができます。
現金、自動車、保険等を残したまま手続きは可能ですが、清算価値(売却した場合手 元に残るお金)を計算して、裁判所へ報告する必要があります。
ただし、99万円以下の現金、生活に欠かせない家具家電、衣類、確定拠出年金による退職金等は除外される裁判所が多いです。
最低弁済額と清算価値を比較して、高い方を支払う必要があります。
ローンがない購入したばかりの自動車等がありますと、清算価値が高くなる可能性もあります。
5 まずはご相談を
個人再生は、手続きが複雑であり、弁護士に依頼せず申立し裁判所に認められることはほぼありません。
弁護士法人心では、多くの個人再生事件を取り扱っております。
四日市周辺で、個人再生ついてお考えの方は、ぜひ弁護士法人心へご相談ください。
弁護士より、詳細なご説明をさせていただきます。
当法人が個人再生の手続きへの対応を得意とする理由
1 個人再生とは
支払不能となるおそれのある個人債務者のうち、将来において継続的・反復的に収入を得る見込みがあり、債務の総額が5000万円を超えていない場合に可能となる手続です。
小規模個人再生と給与所得者等再生の2つが用意されていますが、前者によるのが圧倒的多数です。
その小規模個人再生は、債務の総額を、5分の1か、100万円か、清算価値のいずれか高い金額まで圧縮した上で、原則3年、長くて5年の間に返済していくというものです。
2 得意とする理由
法人全体でこれまでに取り扱ってきた個人再生事件数が非常に多く、経験に裏打ちされた対応が可能という点があげられます。
個人再生事件では、裁判所や支部によって取扱いや処理方針の微妙な違いがあり、そのことを想定しながら聴き取りや書類の取り付け・作成を行う必要がありますがが、こういった事情は書籍やネットで調べることは困難です。
そのため、実際の申立てを数多く行うことによって獲得した対応ノウハウは、個人再生事件の処理を適切に進める上で、役立ちます。
各弁護士の対応件数には、個人差がありますが、事務所内に個人再生を取り扱っている弁護士が複数おり、必要に応じて相談や情報の共有ができるというのは、大きな強みであると思われます。
また、経験豊富なのは弁護士だけではありません。
個人再生事件では、裁判所に申立てをするにあたり、膨大な添付書類が必要になりますが、それらを正確に揃え、整理するには、事務員の助力が欠かせません。
加えて、債務者とも適宜連絡を取り合い、必要な情報の聞き取りや書類の取り付けを行うことが求められますが、弁護士は裁判や法律相談等で不在にしていることが少なくなく、その間事務員が応対できることは、安心感にもつながります。
弁護士法人心には、個人再生事件について経験豊富な事務員が数多く在籍しているほか、弁護士とともに研鑽に励んでおり、皆様のお役に立つことができると思います。
個人再生をするにあたり必要な費用
1 個人再生をするのに必要な費用
個人再生をお考えの方の中には、個人再生をするのにどれくらい費用が掛かるのか、費用をすぐに用意することができないが大丈夫なのか、といった不安をお持ちの方も多いと思います。
そこで、個人再生をするのに必要な費用について説明します。
2 弁護士費用
まず、個人再生を弁護士に依頼する場合、弁護士費用が掛かります。
弁護士費用には、着手金、成功報酬金、出張費、実費などがあります。
着手金とは、弁護士に個人再生事件を依頼するにあたって必要となる費用です。
成功報酬金とは、個人再生事件が無事に終了した際に、報酬として弁護士に支払うお金をいいます。
出張費とは、個人再生事件を処理するにあたり、弁護士が事務所を離れて出張をした場合に、移動距離や時間に応じて支払うお金です。
実費とは、個人再生事件を進めるにあたって、必要となった郵便代、コピー代、FAX通信費などの必要経費をいいます。
3 予納金
予納金とは、個人再生事件を裁判所に申し立てるにあたって、裁判所に納めるお金をいいます。
通常の予納金は、1万3000円~1万4000円です。
もっとも、個人再生委員が選任された場合には、15万~20万円の予納金が必要となります。
個人再生委員が選任されるのは、清算価値基準が採用され、全財産の金額を正確に調査する必要性が高い場合や、収入・支出のバランス的に減額後の借金を分割返済する資力があるかにつき疑義が生じた場合が多いです。
4 個人再生のご相談は当法人まで
当法人では、個人再生事件の着手金は税込27万5000円~(事案の難易度等によって変動します。)となっており、成功報酬金は頂いておりません。
また、すぐに弁護士費用を準備できない方でも安心してご依頼いただけるよう、弁護士費用の分割払いも可能です。
個人再生のご相談は、当法人までお気軽にお問い合わせください。
個人再生における不動産の価値
1 個人再生における不動産の価値の重要性
個人再生の手続きでは、100万円、借金の金額の5分の1、清算価値、(給与所得者個人再生の場合には、可処分所得の2年分)のうち、最も高い金額まで借金の金額を減らすことができます。
不動産を所有している方の場合には、清算価値に不動産の価値が含まれます。
そのため、不動産の価値は、個人再生をした場合にどれだけ借金が減るかに直結する、重要なものといえます。
では、不動産の価値はどのように算出されるのでしょうか。
2 住宅ローンのある不動産
住宅ローンが残っている不動産の場合、住宅ローンの残額と不動産の時価額を比較する必要があります。
住宅ローンの残額の方が不動産の時価額を上回る場合、その不動産を売却したとしても住宅ローンを完済するには足りず、負債だけが残ってしまうことになりますから、不動産の価値としてもゼロとして評価されます。
他方で、住宅ローンの残額よりも不動産の時価額の方が高い場合、その住宅を売却したとすると、住宅ローンを完済して、さらに余剰金が残ることになります。
この場合、不動産の時価額から住宅ローンの残額を差し引いた金額が不動産の価値として評価されます。
3 ローンがない不動産
ローンが残っていない不動産については、不動産の時価額がそのまま清算価値に含まれます。
したがって、ローンのない不動産をお持ちの方が個人再生をする場合、不動産の価値によっては借金の金額があまり減らないということも考えられますので、個人再生という方針をとることが適切かどうかは慎重に検討必要があります。
4 不動産の時価額の算出方法
個人再生における不動産の時価額は、①固定資産税評価証明書から算出する方法と、②不動産業者の査定書から算出する方法があります。
まず、固定資産税評価証明書から算出する方法についてです。
固定資産税評価証明書に記載されている評価額は、通常の相場価格よりも低額であることが多いです。
そこで、土地については、固定資産税評価額の2倍、建物については固定資産税評価額の1.5倍の金額として考える裁判所もあります。
次に、不動産業者の査定書から算出する方法ですが、不動産の販売等を行っている業者2社に不動産の査定をしてもらい、その平均をとって不動産の時価額が算出されます。
個人再生をよく取り扱っている弁護士であれば、査定をしてくれる不動産業者を何社か知っていることが多いですので、相談の際に弁護士に聞いてみるとよいかと思います。
個人再生委員とは
1 個人再生委員が選任されることがある
個人再生の手続きでは、借入れの状況や事情によって個人再生委員が選任される場合があります。
では、個人再生委員とはどのようなものなのか、選任されるとどうなるのかについてご説明します。
2 個人再生委員とは
個人再生委員とは、裁判所から選任される弁護士で、個人再生をしようとする方(再生債務者といいます。)の財産や収入状況を調査し、適切な再生計画案を作成するための指示をすること等を役割としています。
個人再生をしようとして弁護士に依頼した場合、その弁護士は再生債務者の代理人としてその利益のために、いわば味方として動くことがある程度予定されています。
これに対し、個人再生委員は個人再生の手続きを認めるかどうかを判断する裁判所から選任されるものであって、再生債務者の味方として活動をするわけではありません。
その点で、代理人となる弁護士とは立場が異なりますが、個人再生委員は、個人再生の手続きがうまくいくように家計の見直しについての助言をしてくれたり、裁判所が問題視している点についての対処法の指示をしてくれたりする場合もあります。
3 どのような場合に個人再生委員が選任されるか
全件について個人再生委員を付ける運用を取っている裁判所もありますが、津地方裁判所(四日市支部も含みます。)では、必要な場合にのみ個人再生委員を付ける運用となっています。例えば、減額される金額が清算価値基準となる場合、再生債務者の全財産の価値相当の金額を手続き後に支払っていくことになりますから、清算価値の金額が結論に直結することになります。
そこで、正確に清算価値の金額を把握すべきであるため、個人再生委員による調査が必要として、個人再生委員が選任される場合があります。
また、個人再生が認められたとしても、その後に支払いができなくなってしまうと、減額されたはずの借金が元に戻ってしまいます。
そのため、収支の状況的に再生計画の履行が可能かどうか疑わしいと判断された場合には、収支の状況の改善を図るために個人再生委員が選任されることがあります。
4 個人再生委員が選任されるとどうなるか
個人再生委員が選任されると、裁判所に納める予納金が15万円~20万円ほど必要になります。
また、個人再生委員との面談が複数回必要になる場合が多いため、何度か面談に足を運ばなければならなくなります。
このように、個人再生委員が選任されると、金銭的な負担や面談へ行く手間暇がかかります。
もっとも、清算価値の把握を尽くして申立てをしたり、申立前に収支の状況を改善して再生計画の履行に疑義が生じないようにアドバイスをするなどして、個人再生委員が選任されないよう事前に工夫することは可能です。
当法人では、多数の個人再生案件を取り扱っており、豊富な知識、経験から、個人再生委員が選任されずに済むようなアドバイスをすることも可能です。
個人再生で弁護士をお探しの方は、当法人までお気軽にお問い合わせください。
個人再生と債権者の書面決議
1 債権者の書面決議とは
小規模個人再生の手続では、法律に従って借金の金額を減額してもらい、減額された借金を原則3年、特別の事情がある場合には5年で分割返済をすることになります。
そして、その手続き上、裁判所に分割払いの計画(「再生計画」といいます。)を立てて提出をすることになるのですが、その後債権者の書面決議を経る必要があります。
債権者の書面決議とは、簡単にいえば多数決のことです。
書面決議では、債権者の頭数の過半数の反対がある場合や、債務総額の2分の1以上の債権を持つ債権者の反対があった場合には、書面決議が否決されたという扱いになります。
書面決議が否決されると、小規模個人再生の手続きは廃止となります。
2 小規模個人再生を選択する際には注意
個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。
一般的に、給与所得者等再生よりも小規模個人再生の方が借金の金額が少なくなりやすい傾向にありますから、手続き後に支払いが必要となる金額が少なくなる小規模個人再生の方が、メリットが大きいといえます。
他方で、小規模個人再生には債権者の書面決議が必要ですが、給与所得者等再生では債権者の書面決議は必要ありません。
債権者の過半数が反対することが予想される場合や、債務総額の半額以上を持つ債権者がいる場合にはその債権者一社が反対してしまうと、書面決議は否決されることになります。
このような場合には、小規模個人再生ではなく、給与所得者等再生を選択することも検討した方がよいでしょう。
3 給与所得者等再生の要件
給与所得者等再生の場合、小規模個人再生の要件に加え、収入の変動幅が小さい、過去7年以内に給与所得者等再生や自己破産、ハードシップ免責をしていない、の2点を満たす必要があります。
過去2年間の収入が20%以上の変動があると手続きができない可能性が高いです。
たとえば、年収400万円の場合、80万円以上の増減がある場合は、給与所得者等再生の要件を満たしていないと判断される可能性が高くなります
ハードシップ免責は、やむを得ない事情により再生計画どおり返済ができなくなった場合、4分の3以上の返済が終わっていれば、残りの支払義務を免除される制度のことです。
債権者から反対される可能性があり、2年間で収入が20%以上の変動がなく、過去7年以内に自己破産、個人再生どちらも行ったことがない場合等はおすすめです。
4 個人再生のご相談は当法人まで
書面決議で反対するかどうかは、各債権者の持つ債権額、債権者ごとの傾向等によって変わります。
個人再生を検討されている方は、小規模個人再生で申し立てをするか、給与所得者等再生で申し立てをした方がよいのか、弁護士と相談の上慎重に判断した方がよいです。
当法人では、多数の個人再生事件を取り扱っており、書面決議で反対される可能性が高いか否かを過去の経験から検討することができますので、お気軽にご相談ください。
個人再生に必要な資料
1 収入に関する資料
個人再生では、借金が減額されれば分割払いをすることが可能であり、生活を立て直すことができるような収支の状況であることを裁判所に認めさせる必要があります。
そこで、収入関係の資料として、給与収入を得ている方であれば給与明細書や源泉徴収票、個人事業主の方であれば確定申告書、年金や手当などの公的収入のある方はその受給していることが分かる資料などが必要になります。
2 支出に関する資料
個人再生をする場合、支出に関連して家計の状況を裁判所に提出する必要があります。
家計の状況は、個人再生を申立した後も、裁判所に継続して提出する必要があります。
家計の状況とは、簡単に言えば家計簿のようなもので、家賃、食費、光熱費、電話代、日用品、ガソリン代、保険料、教育費等、各項目ごとに一月にいくら使ったかを記録していくものです。
また、住居関連の支出に関するものとして、住宅ローンを組んでいる方は住宅ローン契約書や返済計画表、賃貸住宅にお住まいの方は賃貸借契約書の提出が必要になります。
さらに、保険料の支出に関する資料として保険証券の写し、光熱費、電話代、その他の支出に関する資料として、銀行の通帳の履歴の提出も必要となります。
3 財産に関する資料
個人再生でどれほど借金が減額されるかは、借金の金額や持っている財産の金額によって変わるため、財産に関する資料の提出を求められます。
例えば、不動産に関して固定資産税評価証明書や不動産業者の査定書、自動車に関して車検証や自動車の査定書、保険に関して解約返戻金額証明書、退職金に関して退職金規定や退職金支給見込額証明書、株券等の有価証券に関して時価証明書などが必要となります
手元にあり、すぐに用意できる資料もあれば、取り寄せが必要になるものもあります。
代表的な具体例は、下記になります。
固定資産税の評価証明書等は、不動産のある市町村の役所にて取得ができます。
保険の解約返戻金額証明書は、保険証券に記載ある場合もあります。
記載がない場合は、保険会社へ問い合わせ書面で発行していただく必要があります。
退職金に関しても、お勤め先に確認することが必要なります。
また、すでに受け取り済みの保険金の資料等も提出する必要もあります。
4 様々な資料の提出が必要です
個人再生は、裁判所を通じた手続きですので、裁判所に対して様々な資料の提出が必要となります。
資料の提出ができない場合、個人再生を申立することができなくなる場合もあります。
上記のように、収入、支出、財産といった家計の状況がわかる様々な資料の提出が必要となりますので、信頼できる弁護士と相談をしながら進めていくことが重要だと考えます。
個人再生のご相談は、当法人までお気軽にご相談ください。
可処分所得とは
1 可処分所得が問題となるケース
可処分所得とは、1年分の収入から、税金、社会保険料、1年間最低限度の生活を維持するために必要な費用を差し引いた金額をいいます(正確には後述3参照)。
可処分所得が問題となるのは、個人再生事件の中でも給与所得者等再生の場合です。
2 給与所得者再生とは
個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の手続きがあります。
一般的には、小規模個人再生で手続きを行うことが多いです。
小規模個人再生では認可決定に当たり全債権者の多数決の手続きが必要になりますが、給与所得者等再生では多数決の手続きは必要ありません。
小規模個人再生で債権者の頭数の半数以上が反対すると、裁判所の認可は下りません。
認可が下りなければ、個人再生は認められないことになりますので、せっかくの手続きが無駄になってしまいます。
給与所得者等再生では、①100万円、②借金の金額の5分の1、③清算価値、④可処分所得の2年分の4つの金額のうち、最も高い金額まで借金が減額されることになりますが、多くの場合、④可処分所得の2年分が最も高い金額になることが多いですので、小規模個人再生よりも手続き終了後に払っていくべき金額が大きくなる傾向にあります。
給与所得者等再生を選択すべき場合は、多数決の手続によって反対される危険性が高い場合です。
すなわち、債権者の頭数の半数以上の反対が予想される場合、債務金額の半数以上の金額を持つ債権者が反対する可能性が高い場合です。
3 可処分所得の2年分の計算方法
可処分所得の2年分は、【⦅(2年間の収入合計額-所得税-住民税-社会保険料)÷2-1年分の最低限の生活費⦆×2】で計算されます。
1年分の最低の生活費は、実際にご自身の生活費を引くわけではありません。
居住する地域、扶養家族に、裁判所が決めた金額が1年分の最低の生活費とされます。
可処分所得の計算には、日弁連のホームページで公開されている「可処分所得額算出シート」が役立ちます。
参考リンク:日本弁護士連合会・個人再生手続参考書式
これに、勤務先から発行される源泉徴収票と役所で発行される所得証明書・課税証明書記載の所得税、住民税、社会保険料等を入力し、最低限度の生活に必要な費用は「民事再生法第241条第3項の額を定める政令」を参照して入力をしていくと、計算することが可能です。
2年以内に転職等を行い、収入状況が変化している場合は、可処分所得の計算方法が異なります。
可処分所得の計算は、一般的にわかりづらいものです。
個人再生は、弁護士に依頼し、手続きすることが一般的です。
四日市市周辺で個人再生についてお考えの方は、ご相談ください。
個人再生を依頼する弁護士を選ぶポイント
1 弁護士に個人再生について相談しようとお考えの方へ
弁護士に個人再生を相談しようと考えているが、どの弁護士に依頼したらよいかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
特に近年では、弁護士の数も増えてきていますし、インターネット等で検索をすれば弁護士事務所がたくさん出てきますので、どこに相談しようか悩まれる方も多いでしょう。
ここでは、個人再生を弁護士に相談しようとしている方向けに、弁護士選びのポイントをご紹介します。
2 弁護士の知識・経験
個人再生の手続きをうまく進められるかどうかは、弁護士の知識・経験によるところが大きいです。
個人再生の手続きは、借入先、借り入れの理由、財産状況、収支状況等により、裁判所から指摘されることは大きく変わります。
多くの個人再生案件を経験している弁護士であれば、手続きを進める上での注意点や、裁判所はこういうところに注目してくるといったポイントを熟知しています。
そのような弁護士であれば、問題が生じないように注意点を説明できたり、裁判所が注目するポイントについてあらかじめ調査を済ませておき、スムーズに手続きを進めることが可能です。
3 弁護士の人柄
個人再生の手続きは、裁判所に申立てをしてから半年ほど時間がかかります。
また、弁護士費用を分割払いする場合には、その期間中も弁護士とのやり取りが必要になりますので、長期間の付き合いとなります。
したがって、疑問点ができた際に気軽に質問できそうか、親身になってくれそうかといった、弁護士の人柄や相性も重要なポイントであると思います。
相談時等に、気になる点等を質問し、弁護士の説明がわかりやすいか、人柄、相性などを確認するのもよいでしょう。
4 弁護士費用
弁護士に依頼する場合、弁護士費用が必要です。
弁護士費用は事務所によってさまざまで、着手金のみで足りる事務所もあれば、案件終了後に成功報酬金の支払いが必要な事務所もありますし、金額も異なります。
個人再生は借入先の数、借り入れの理由、財産状況によって費用が変動する可能性がありますので、相談時に確認することをおすすめします。
5 弁護士法人心の強み
当法人では、弁護士ごとに注力する分野を分けており、個人再生に関する相談は借金問題を扱っている弁護士が対応します。
多くの個人再生事件を担当している弁護士が在籍しています。
月2回以上の個人再生を含む債務整理の研究会を行い、最新の判例や事務所内での事例、ノウハウの共有を進め、日々研鑽を重ねています。
そして、分野ごとに担当制をとることで、スピーディーに案件を進めることができますので、費用も安く抑えられます。
また、当法人では依頼者様の真の満足を目指し、依頼者様の「心」を大切にしています。
個人再生のご相談は、当法人までご相談ください。
不明点や不安点等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。
再生計画の履行が困難になった場合
1 再生計画の履行が困難になることがある
個人再生の手続きにおいては、各債権者へどのようにして分割返済をするかという計画を立てて裁判所へ提出します。
その計画を再生計画といいます。
通常再生計画は3年~5年間の返済計画となりますので、その期間内に収入が減少したり、生活状況が変わるなどして返済計画の履行が困難になってしまうことがあります。
再生計画の履行が困難になると、どのようなデメリットが生じるのでしょうか。
2 借金の減額が受けられなくなる
個人再生では、再生計画の履行を継続し、減額された後の借金を完済した段階で、減額された部分の借金の支払義務が免除されるということになっています。
例えば600万円の借金が5分の1(120万円)まで減額された場合、この120万円を完済して初めて、残りの480万円の支払い義務が免除されるのです。
したがって、再生計画の履行が途中でできなくなってしまうと、再生計画が取り消されてしまい借金の減額が受けられなくなってしまいます。
3 再生計画が取り消されてしまったらどうするか
個人再生を選択する方は、借金の金額を減額してもらわなければ支払いが困難であるような方が大半ですので、再生計画が取り消されると、通常は借金の支払いをすることは不可能になってしまいます。
そのため、再生計画が取り消された後は自己破産に方針を切り替えることが多いです。
履行ができなくなった後、もう一度個人再生の申立てを行うことが禁止されているわけではありませんが、支払困難によって再生計画が取消されている事情があることから、継続的かつ安定的な弁済ができないのではないかという不信をもたれるため、ハードルは非常に高いと言えます。
ただ、個人再生を選択した方の中には、住宅ローンが残っているなどの事情から自己破産を選択したくないと考えられる方もいらっしゃいます。
そのような方向けに、以下で自己破産以外の方法について説明します。
4 自己破産ができない場合
⑴ 再生計画変更の申立て
やむを得ない事情によって再生計画の履行が困難になった場合、裁判所に申し立てることで、2年を超えない範囲で返済期間を延長してもらうことができます(民事再生法234条1項)。
返済期間を延長してもらうことができれば、月々の返済金額も減り、返済を続けることができるようになるかもしれません。
変更申立てにおける「やむを得ない事情」とは、再生計画策定時に予測できなかった経済情勢の変化や取引先の倒産等があげられています。
⑵ ハードシップ免責
やむを得ない事情によって再生計画の履行が極めて困難になり、再生計画の変更によっても再生計画の履行が困難な場合、4分の3以上の返済を終えていれば、残りの借金の支払義務の免除を受けられる可能性があります(民事再生法235条1項)。
これをハードシップ免責といいます。
ハードシップ免責における「やむを得ない事情」とは、先程よりも程度が重く、再生計画を遂行することが極めて困難な状況で、かつ、モラルハザード防止の観点から債務者に帰責事由が無いこととされています。
5 早めに弁護士にご相談を
個人再生をしたが返済が困難になりそうな場合、返済が遅れてしまう前に、早めに弁護士にご相談ください。
個人再生による保険への影響がご心配な方へ
1 個人再生と保険
個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生がありますが、前者の利用割合が9割を超えていることに鑑み、ここで述べる個人再生は、すべて小規模個人再生を意味しているとご理解ください。
個人再生を検討しているものの、加入している保険(共済含む。以下同じ。)はどのような扱いになるのか、解約しなければならないのか等、心配されている方もいらっしゃるかもしれません。
借金の返済義務が無くなる自己破産とは異なり、返済自体は継続する個人再生では、財産を処分することは原則としてありませんので、保険についても解約することなく残すことが可能です。
ただ、個人再生は、総額は減少するとはいえ、長期的に債務を分割して弁済していく手続きです。
それ故、返済原資を確保するため、ひいては身の丈に合った生活を続けるため、過剰な保険や不必要な保険については解約・変更を行うことをおすすめいたします。
2 清算価値では解約返戻金も財産とみなされる
ところで、個人再生を行う際、現在加入している保険や直近で解約した保険については、解約返戻金の有無・額を、裁判所に書面をもって報告する必要があります。
個人再生は、無担保の借金の総額が5000万円以下であることを前提に、①100万円、②借金の金額の5分の1、③全財産の金額(「清算価値」と呼ばれます。)、(④給与所得者個人再生の場合には可処分所得の2年分)のうち、最も高い金額まで借金の金額が減額する法的手続きです。
清算価値以下に減額されないのは、自己破産に比べて個人再生の方が債権者にとって有利な手続きであるべきという考えに基づきます。
そして、解約返戻金の金額も、③清算価値の金額に含まれますので、解約返戻金の金額が多い場合には、借金がいくら減額されるかが変わることがあります。
具体例を挙げると、借金の金額が400万円で、預貯金が20万円、所有する自動車が40万円、解約返戻金額が50万円である場合、個人再生が認められると上記①~③のうち③清算価値の金額である110万円が最も高額になりますので、110万円まで借金が減額されます。
他方で、借金の金額が400万円、預貯金が20万円、所有する自動車が40万円、解約返戻金が30万円である場合、①100万円が最も高額になりますので、100万円まで借金が減額されます。
3 契約者貸付を受けている場合
借金問題でお困りの方の中には、保険会社から契約者貸付を受けて返済や生活費に使っている方もいらっしゃるかと思います。
契約者貸付は、解約返戻金の前借りのようなイメージの制度で、解約をする際に、本来もらえる解約返戻金額から契約者貸付を受けた金額を差し引いた差額分が支払われることになります。
そして、清算価値を計算する際にも、契約者貸付を受けた部分については差し引いて計算されます。
例えば、解約返戻金額が50万円で、契約者貸付として30万円をすでに受け取っている場合、清算価値に含めるべき金額は20万円(50万円-30万円)となります。
4 解約返戻金は出るの?いくらなの?
解約返戻金が出るか否かは、保険ごとに確かめる必要があります。
約款や保険のしおりに書いてあることもありますが、書いていない場合は、保険会社や営業担当者に確かめる等する必要があります。
前述のとおり、発生の有無・額を書面で提出する必要があり、すぐに発行してもらえないことも少なくないため、申立ての数カ月前から準備しておくべきでしょう。
個人再生での退職金の扱いについてご不安がある方へ
1 個人再生における清算価値
小規模個人再生では、無担保の債権が総額5000万円を超えないことを前提に、①100万円、②借金総額の5分の1、③清算価値のうち最も高い金額まで借金を減額し、原則として3年、特別な事情がある場合には5年で返済をすることになります。
ただし、「清算価値」よりも低い金額までしか、借金が減額されることはありません。
清算価値とは、簡単に言えば個人再生をする方の全財産のことで、不動産、自動車、預貯金、生命保険解約返戻金、退職金などが含まれます。
そして、借金はこれらの合計額以下に減額されることはないという効果をもたらします。
その趣旨は、個人再生によって、債権者が、破産より不利益を被ってはならないというものです。
以下では、清算価値との関係における退職金の評価についてご説明します。
2 個人再生における退職金の評価
⑴ すでに退職金を受領した場合
すでに退職金を受領しており、現金、預貯金として保管している場合には、原則として、全額が清算価値に含まれます。
⑵ 近い将来(おおむね3年以内)、退職金が支給される予定の場合
債権者が退職金債権を差し押さえようとしても、法律上はその4分の3は差し押えることが許されない債権となっていることから、差押禁止となっていない退職金額の4分の1を清算価値に含めて計算する裁判所が多いようです。
なお、差押え可能額を制限しているのは、退職金は給料の後払いとして支払われるものであったり、退職後の生活保障的な意味合いが強いものであったりするので、これを全額差押え可能とすると、債務者の生活に甚大な影響をもたらすからであると考えらているためです。
⑶ 退職金が支給されるまでに時間がある場合
預貯金は今すぐ引き出そうと思えば簡単に引き出すことができますが、退職金は、退職するタイミングで支払われるものであってすぐに支払われるようなものではなく、また退職金が将来的に発生するかも不確実であるという性質を持っています。
このような退職金の性質を考慮して、多くの裁判所では現時点で退職したとして支給される退職金額の8分の1を清算価値に含める運用となっています。
3 退職金は返済金額に影響し得る
例えば、借入金額が800万円あり、あと5年で定年を迎え退職金が1000万円入ってくるような場合(その他にめぼしい財産がない場合)、早めに申し立てを行い退職金額の8分の1を清算価値に含めるだけで済めば、返済すべき金額は160万円(800万円の5分の1)で済みますが、裁判所への申立てが遅れ、あと3年で定年を迎えてしまうような時期になってしまうと、清算価値を基準とした返済が必要になってしまい、250万円(1000万円の退職金の4分の1)を支払わなければならなくなります。
このように、退職金の金額が大きい方、特に近い将来に定年を迎えるなどして退職金が支給される予定のある方は退職金が、清算価値、ひいては再生計画に基づく返済金額に大きな影響を及ぼす場合があります。
以上のように、個人再生手続きでは退職金の扱いがポイントとなることもありますので、どのようにすべきかを、早めにご相談された方がよいでしょう。
住宅資金特別条項を利用するための条件
1 住宅資金特別条項とは
破産の場合は、原則として換価価値のある資産はすべて売却・配当の対象となるため、個人資産である土地・住宅を残すことはできません。
また、通常の個人再生では、特定の債権者だけに支払いを継続することは認められないため、原則として住宅ローンも支払いができなくなり、結局、抵当権が実行されて、土地・建物を失うことになってしまいます。
しかし、住まいを失うことは、債務者の生活に重大な影響をもたらしますし、長きにわたり住宅ローンを支払い続けてきたことを無にしなくないという思いは酌むべきところがあります。
そこで、個人再生には、住宅ローンについては返済を続けることで住宅を残しながら、その他の借金を減額することができる特別な制度が用意されています。
それが本稿で取り上げる住宅資金特別条項です(民事再生法196条)。
2 住宅資金特別条項を利用する条件
⑴ 債務者が所有・居住する「住宅」であること
個人再生を申立てる債務者が所有し、居住している(居住の用に供する)建物であることが必要です。
単独所有であることが多いですが、二世帯住宅などのように、住宅が共有になっている場合は、債務者がその住宅の床面積の2分の1以上を生活に使用していることが必要となります。
また、現在その住宅に居住していなくても、単身赴任中など将来的にその自宅に戻る予定がある場合には、上記要件を満たすと考えられていますが、その旨を裁判所に適切に説明することを要します。
⑵ 「住宅資金貸付債権」であること
住宅の購入、建築のために組んだローンであることが必要です。
⑶ 住宅ローン債権又はその保証会社による求償債権につき「抵当権が住宅に設定されているもの」
住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローン債権者又はその保証会社が、住宅に抵当権を設定している場合がほとんどです。
⑷ 住宅に住宅ローン以外の債権者の抵当権が設定されていないこと
住宅に住宅ローン債権者以外の第2順位以降の抵当権が設定されている場合、それが実行されてしまうと結局住宅を失ってしまうことから、住宅資金特別条項を定める意味がなくなってしまうためです。
際限なく借り入れをしていく中で、貸金業者から担保の設定を求められ、住宅に第2順位、第3順位の抵当権を設定してしまったという事例は、しばしば見受けられます。
そのため、住宅資金特別条項を考える際には、最新の土地建物の登記簿謄本の権利関係を確認することが必須と思われます。
⑸ 保証会社が住宅ローン債務を代位弁済した場合、代位弁済をした日から6か月経過する前に個人再生の申立てがされたこと
6か月以内であれば、代位弁済をなかったことにする「住宅ローンの巻き戻し」ができる可能性があります。
3 住宅資金特別条項については弁護士にご相談を
住宅資金特別条項を利用できるかどうかは、住宅ローンの残っている住宅を残すことができるかどうかに直結し、住宅を残しながら借金を減額したいとお考えの方にとっては重要な問題です。
住宅資金特別条項を利用した個人再生についてのご相談は弁護士法人心までお気軽にご相談ください。
弁護士に個人再生を依頼した場合の流れ
1 弁護士との相談、契約
個人再生の相談については、日本弁護士連合会(日弁連)の規程上、原則として弁護士が面談の上で事情の聞き取りや重要事項の説明をしなければならないとされています。
個人再生は裁判所を通じた手続きであり、集めなければならない資料や今後の手続きの流れ、個人再生をすることによるメリットとデメリットなどをしっかりと理解した上で進める必要性が高いため、このように規定されています。
したがって、まずは弁護士と面談の上で詳しい説明を受け、ご納得いただいた上でご契約いただくことになります。
なお、個人再生は借金をある程度減らした上で、長期間支払っていく手続きであることから、継続的かつ安定的な支払いが難しい場合は、別の債務整理方法をご検討いただいたほうがよい可能性もあります。
2 申立ての準備~個人再生申立て
弁護士と契約をすると、通常、弁護士からすべての債権者に対して受任通知が送付されます。
これによって、債権者は、債務者が弁護士に委任したこと、及び、個人再生をする予定であることを知ることになります。
受任通知が送付されると、基本的には債権者からの連絡は本人ではなく弁護士宛に届くことになりますので、債権者の対応をする必要がなくなり、また債権者に対して返済をする必要もなくなります(正確に言うと、特定の債権者に対して返済をすることは「偏頗弁済」と呼ばれ、後日、個人再生が無効であると主張されることになり得ますので、受任通知送付以降は返済を行ってはならないと言えます。)。
その間に、弁護士費用を一括あるいは分割で積立てをしたり、裁判所に提出する必要資料の収集や必要書類の作成などの準備を進めたりすることになります。
そして、準備が整ったら、裁判所に対して個人再生の申し立てを行います。
3 申立後~開始決定までの流れ
裁判所に個人再生の申立てをすると、約1~2か月間は裁判所の方から説明や追加資料の提出を求められることがあります。
裁判所からの要求にしっかり応じ、手続きを始めることが相当であると判断されると、開始決定が出されます。
4 開始決定~再生計画案の提出までの流れ
開始決定が出されると、裁判所から指定された期限までに補正や再生計画案の提出を求められます。
再生計画案とは、各債権者に対して減額された後の金額を支払う際の分割方法に関する計画の草案をいいます。
5 再生計画案提出~認可決定確定まで
小規模個人再生の場合、再生計画案を提出すると、裁判所から各債権者に送付され書面決議に付されます。
そこで債権者の頭数の半数以上あるいは借金総額の半額以上を持つ債権者が反対してしまうと、再生手続が廃止となってしまいます。
他方、反対多数とならなければ、認可決定が出され、その後裁判所から認可決定の確定決定が出されます。
なお、給与所得者等再生の場合には書面決議の手続きはないため、債権者の特性や債権額の大小等から半数の反対が予想される場合は、最初から給与所得者等再生を選択することも考えられます。
6 認可決定確定~支払いまで
認可決定が確定すると、再生計画に従って返済を開始することになります。
返済期間は通常3年ですが、債務者の事情に応じて、これを超える期間が認められることもあります。
個人再生の建前上、減額された借金を決められた期間で払いきって初めて減額された部分の返済義務が免除されることになっておりますので、遅れのないように収支のバランスを把握しながら返済を続けていきましょう。
個人再生をお考えの方へ
1 個人再生とはどのようなものか
個人再生とは、借金を減額し、減額した借金を3年~5年で分割返済をしていく手続きをいいます。
個人破産と同様に個人債務者の経済的再生を目的としていますが、将来の収益(※ 給与や事業収益)から一定期間の分割弁済を行うことが、破産手続きと異なる点です。
個人再生は、小規模個人再生と給与所得者等再生の2つが規定されていますが、本稿では圧倒的に利用割合の多い(※ 近年では全体の90%超)小規模個人再生についてのみ述べさせていただきます。
2 個人再生のメリット
⑴ 借金を減らすことができる
個人再生では、債務者が個人で無担保の借金の額が5000万円以下であることを前提に、借金の金額を①100万円、②借金の金額の5分の1,③全財産の金額(清算価値といいます。)、(給与所得者個人再生の場合には④可処分所得の2年分)のうち一番高い金額まで借金の金額を減らすことができます(※ もっとも多いのは②のパターン)。
そして、減額された借金を原則としては3年、特別な事情がある場合には5年で分割返済をすることになりますので、月々の返済金額が大幅に減り、生活を立て直すことができます。
なお、将来にわたり継続的に弁済をしていく手続きであることから、安定的な収入が無かったり、仕事に就いたばかりであったりする場合は、認められにくいと言えます。
⑵ 住宅ローンの残っている住宅を残すことができる
住宅ローンの残っている不動産がある場合に自己破産をしてしまうと、その不動産を手放さなければならなくなります。
個人再生の場合、住宅ローンも再生債権に含まれることになりますが、そうなるとローン会社が債務不履行を理由として抵当権を実行し、債務者が土地・建物を失う結果となってしまいます。
このような不都合を避けるべく、個人再生は、住宅資金特別条項を利用することによって、住宅ローンを債権者平等原則の例外として、土地建物を残せるようにしています。
住宅資金特別条項による住宅ローンの支払い方式は複数用意されていますが、従前どおりの金額・期間のまま支払いを続ける正常弁済型(そのまま型)が多数となっています。
⑶ 自動車などの財産を残すことができる
自己破産の場合、裁判所ごとに運用は異なりますが、おおむね20万円以上の価値のある自動車等の財産は処分されてしまい、債権者に分配されてしまうことが多いです。
他方、個人再生の場合,20万円以上の価値のある自動車等があっても、処分をすることなく手元に残すことができる可能性もあります。
もっとも、お持ちの財産は上記③の清算価値に含まれますので、高額の財産をお持ちの場合には減額される金額も少なくなってしまいます。
3 個人再生のデメリット
⑴ 信用情報に傷がつく
個人再生をする旨を債権者に通知をすると、信用情報センター(いわゆるブラックリスト。主に全国銀行協会、CIC、JICCの3つがあります。)に情報が掲載されます。
掲載される期間としては、最短で個人再生の申立てをしてから5年、最長で個人再生の開始決定の時から10年間となっており、その期間は融資やクレジットカードの申込の際の審査に通らない可能性が高くなります。
⑵ 決められた金額の返済を続けなければならない
個人再生では、減額された借金について返済が完了して初めて、減額された部分の借金の支払い義務が免除されるという建前になっていますので、返済を継続しなければ借金の減額の効力が得られなくなってしまいます。
そのため、継続的かつ安定的な収入を得ている仕事に就いていなければ、利用は困難です。
⑶ 官報に掲載される
個人再生をすると、政府の発行する官報に名前と住所が掲載されます。
官報を定期的に見ている人はほとんどいませんが、デメリットではあるといえます。。
4 まとめ
このように、個人再生にはデメリットもありますが、家屋などを残すことができる可能性もありますので、残したい財産があるような方は、個人再生について検討してみてはいかがでしょうか。
個人再生で自動車・バイクがどうなるかご心配な方へ
1 個人再生をすると自動車やバイクはどうなるか
個人再生(※ここではすべて小規模個人再生である前提です)は、借金を減額し、その減額した借金を分割で支払うための制度です。
自己破産を行う場合、差押禁止財産や資産価値の低い財産を除き、手持ちの財産は売却され、売却代金は債権者への配当に回されます。
差押禁止財産とは、例えば、家財道具、業務に不可欠な道具・工具等です。
自動車やバイクも、一定の資産価値があれば、売却は避けられません。
これに対し、個人再生をする場合、自動車やバイクも含めた財産を処分する必要はありません。
2 ローンが残っていない場合の自動車・バイク
⑴ ローンがなければ、自動車・バイクは手元に残ります
前述のように、個人再生は、自己破産と異なり、債務者の財産を強制的に処分することは予定していない制度であるため、ローンが残っていない自動車やバイクは、手元に残すことができます。
⑵ 自動車・バイクが手元に残った場合のデメリット
個人再生をする場合、債務は5分の1程度まで減額されます。
例えば、600万円の債務は、120万円まで減額され、120万円を分割で支払っていくことになります。
しかし、個人再生をする場合、清算価値保障原則(民事再生法174条2項4号)という「最低でも、自己破産をした場合以上に借金を弁済しなければならない」という決まりがあります。
一部の裁判所では、再生計画案を出す際に精算貸借対照表を添付し、清算価値保障原則を満たしていることを示すことが求められます。
一例をあげると、借金が120万円に減額されたとしても、手元に残った自動車やバイクが200万円の価値があるという場合、最低でも200万円は弁済をしなければならないということです。
3 ローンが残っている場合の自動車・バイク
⑴ ローン販売(所有権留保付割賦販売)について
ローンで自動車やバイクを購入する際、ほぼすべてにおいて、所有権留保付割賦販売の方式が取られます。
これは、ローンを完済するまで、当該自動車・バイクの所有権を販売業者側に留保されるというものです(割賦販売法7条)。
ローンを完済できなければ留保された所有権に基づき、自動車・バイクを引きあげられてしまうことから、通常、債務者は、そうならないよう月々の支払いを遅滞なく行います(これが所有権留保の目的といえます)。
⑵ 個人再生における取扱いの実務の運用
ところで、個人再生を行う場合、清算価値保障原則が満たされることを前提に、借金は5分の1まで減らされます。
ローンも借金なので、減額の対象になります。
となると、業者側は、ローンの5分の4は返してもらえなくなることから、留保された所有権に基づき、自動車・バイクの引きあげにかかります。
引き上げられた場合、当該自動車・バイクの時価分の借金が削減されることにはなりますが、すべて解消されることはあまりありません。
それに、債務者としては、これまでの支払いが無駄になってしまうことから、できれば引き上げを回避したいと思うのが一般的です。
4 自動車・バイクの引き揚げを回避する手段
⑴ ローンを完済する
個人再生を行う場合、債権者に平等に弁済する必要があるため、ローン会社にだけ一括で弁済することは、原則としてできません(偏頗弁済にあたります)。
そのため、ローンを完済する場合は、ご親族の方などにローンを完済してもらうことで、手元に自動車やバイクを残すことができる可能性があります。
⑵ ローン会社と裁判所の許可を得る
自動車やバイクは、債務者の職業などによっては、必要不可欠なものです。
そのため、ローン会社と合意の上で、裁判所の許可を得れば、ローンが残っている自動車やバイクについても手元に残すことができますが、裁判所の許可は容易ではありません。
個人再生の種類について
1 個人再生とは
個人再生は、裁判所を通じて借金の金額を減額してもらい、減額した借金の額を分割で返済していく手続きをいいます。
個人再生の中には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。
2 小規模個人再生
小規模個人再生では、①100万円、②借金の金額の5分の1、③全財産の金額(清算価値といいます。)の3つのうち一番高い金額まで借金の金額が減額されます。
ここでいう清算価値には、現金、預貯金、不動産、自動車、生命保険の解約返戻金、退職金などが含まれます。
なお、不動産については、住宅ローンが残っている場合には、ローン残額よりも不動産の価値が下回っているオーバーローンの場合にはゼロと評価されます。
いろいろ難しいことを述べましたが、特に資産がない方の場合は、500万以上の借金なら1/5、500万円未満の借金なら100万円に減額される手続、と理解しておけば足りると思います。
そして、減額された金額を基本的には3年で返済することが求められますが、やむを得ない事情がある場合には5年まで延ばすことが認められます。
そのため、当該債務者が、継続的・安定的に支払っていけるかが、審査の対象となり、収入が少なかったり、職を転々としていたりした場合は、申立てが却下される可能性が高くなります。
休職期間が長期に及んでいることも、マイナス材料になります。
個人再生の手続きが進むと、申立人側は、各債権者への弁済に対する計画の案、つまり再生計画案を立てて裁判所に提出します。
その後、再生計画案が裁判所からすべての債権者に送付され、書面決議(多数決)に付されます。
この多数決が最後の関門で、書面決議の中で債権者数の半分以上の反対あるいは総債権額の半分以上を持つ債権者の反対があった場合、再生計画案は否決されてしまいます。
どのような場合に否決されるかは、一概には言えませんが、単独で過半数の債権額を有する債権者がいたりする場合は、反対してくる可能性が高まります。
3 給与所得者等再生
給与所得者等再生では、小規模個人再生で上げた①~③の基準に加え、④可処分所得の2年分の4つのうち一番高い金額まで借金の金額が減額されます。
ここでいう可処分所得とは、簡潔に言ってしまうと手取り収入から税金や最低限度の生活に必要な費用を差し引いた残りの金額を意味します。
可処分所得を算出できるEXCELシートに収入、世帯人数等の必要事項を入力すると、算出することができます。
給与所得者等再生では、小規模個人再生にあるような債権者の書面決議(多数決)の手続きがないのが最大のメリットです。
給与所得者等再生の唯一かつ最大の問題は、可処分所得が手取り収入の3~4割程度とされ、結構高額になってしまうことです。
その通りに支払おうとすると、生活が成り立たなくなる場合が少なくありません。
特に一人暮らしの場合などですと、給料の半分近くが可処分所得になってしまうことも珍しくありません。
そのため、小規模個人再生から給与所得者等再生に転換することは非常に大変で、可処分所得に相当する支払金額を毎月確保することが困難である等の理由で、任意整理や破産を選択せざるを得ないことがあります。