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弁護士による個人再生

「手続開始後の問題点」に関するQ&A

個人再生が認可決定後に取り消されることはあるのですか?

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2024年9月18日

1 再生計画が取り消されると、借金が元に戻る

個人再生は、借金を減額して3~5年で返済をする手続きで、その返済の金額と期限等を定めた「再生計画」を裁判所が認可することで借金が法的に圧縮されます。

しかし、一定の場合には、裁判所が再生計画の認可決定が取り消すことができます。

再生計画が取り消されると、せっかく減額された借金も元に戻ってしまうため、注意が必要です。

以下で再生計画が取り消される場合とその注意点をご紹介します。

2 再生計画の認可決定が取り消しになる場合(民事再生法第189条1項)

再生計画が取り消される原因として、法律には次のようなものが挙げられています。

① 再生計画が不正の方法により成立したこと

② 再生計画の履行を怠ったこと

③ 裁判所、監督委員の許可・同意を得なければいけない行為を、許可・同意なくしたこと

3 再生計画が不正の方法により成立したこと

不正の方法とは、一例として、個人再生の手続きにおいて、申立書に虚偽の事実を記載したり、または、記載しなければいけないことを記載しなかった場合などがあります。

要は、裁判所に嘘をついたり、隠し事をしたりした場合などがこれに当たります。

また、申立書だけでなく、裁判所に提出する全ての書類や口頭での回答などに、嘘や隠し事があった場合も、取消しになる可能性があります。

4 再生債務者が再生計画の履行を怠ったこと

個人再生は、借金を減額する代わりに、減額後の借金は必ず返済をしなければなりません。

再生計画で決められた支払ができなかったり、期限に遅れてしまったりすると、再生計画の認可が取り消されて、減額前の借金全額を支払わなければいけなくなってしまいます。

個人再生を行う場合は、将来にわたって確実に返済が可能かをよく検討し、返済が難しい場合は自己破産など別の手段を検討した方が良い場合もあります。

5 裁判所、監督委員の許可・同意を得なければいけない行為を、許可・同意なくしたこと

裁判所、監督員の許可・同意が必要な行為には次のようなものがあります。

① 財産の処分

② 財産の譲受け

③ 借財

④ 民事再生法第49条第1項の規定による契約の解除

⑤ 訴えの提起

⑥ 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)

⑦ 権利の放棄

⑧ 共益債権、一般優先債権又は第五十二条に規定する取戻権の承認

⑨ 別除権の目的である財産の受戻し

⑩ その他裁判所の指定する行為

⑪ 営業等の譲渡

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