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弁護士による個人再生

「個人再生の手続き」に関するQ&A

個人再生を自分で申し立てることはできますか?

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2024年4月10日

1 個人再生の申立権者

結論からいうと、理論上は、ご自身で個人再生の申立てをすることはできます。

実際に、再生債務者本人が個人再生を申し立てているケースもあります。

理論上は、という断り書きを付したのは、実務上はご自身で申立てを行うのはかなりの困難を伴うためです。

個人再生は、借金を整理する手法の中でも複雑な部類であるためです。

債権債務に関する法律に詳しく、かつ実務経験もあるような方であれば申し立てられないことはありませんが、そうでない方が申し立てるのは、相当難しいと言わざるを得ません。

その理由を以下で、具体的に説明します。

2 個人再生申立てのために必要な資料等

個人再生を申し立てる際、多数の財産・債務に関連する資料を揃えなければなりません。

主だったものだけでも、以下のような資料が必要です。

  • ・申立時点での銀行の口座に入っていない手許現金の金額
  • ・すべての預貯金及び過去2年分の預貯金の取引履歴
  • ・ある場合:貸付金に関する資料
  • ・会社員等の場合:退職金に関する資料
  • ・保険解約返戻金に関する資料
  • ・所有している場合:不動産に関連する査定資料
  • ・所有している場合:自動車に関連する資料
  • ・自動車や不動産の売却、保険金受取など、過去2年以内に受領・処分した財産の資料
  • ・債権者の債権額届出書
  • ・収入に関する資料
  • ・家計簿 など

個人再生は、裁判所による再生計画の認可により、大幅に減額された債務を、3~5年で返済するという手続きです。

そのため、返済可能性がとても重要であることから、このように多数の資料の提出が求められます。

3 再生委員

裁判所により運用は異なりますが、多くの場合、再生債務者本人が個人再生を申し立てると、再生計画の認可を補佐するため、裁判所が再生委員を選任します。

再生委員が選任された場合、裁判所に対して20万円程度支払う必要があり、支払うことができない場合は個人再生ができないことがあります。

もっとも、申立後の履行テストを兼ねて、上記の金額を分割で支払うことができることが多いです。

なお、裁判所によっては、弁護士が代理人であっても、一律で再生委員を選任されることがあります。

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