「手続開始後の問題点」に関するお役立ち情報
個人再生の陳述書
1 個人再生の陳述書とは
個人再生を行うにあたっては、借金についての情報や、ご自身に関する情報を記載した各種書類を提出する必要があります。
その中の一つである、個人再生における陳述書とは、裁判所や債権者に対して、借金をすることになった経緯や、返済を行えない状況に至った理由を記載するものとなります。
つまり、返済のために努力を尽くしたものの、どうしても返済できない状況に至ったということ、そのため、個人再生という方法を選ばざるを得なくなったということ、このことに対する反省・同じようなことをもう繰り返さないという意思等を記載することとなります。
2 陳述書の書式
陳述書の書式については、裁判所にサンプルが準備してありますので、基本的にはそれを参考にすれば大丈夫です。
具体的には、住所、職業、収入額、収入の種類などを記載することとなり、過去数年分の職歴も記入することとなります。
3 個人再生の陳述書の内容
⑴ 家族構成・経歴について
陳述書のより具体的な内容ですが、家族構成や経歴を書くことが必要になります。
家族構成・人数によって必要な生活費は当然変わってきますので、ここの記載内容によって、生活費による借金なのかどうか、ひとつの判断要素となってきます。
次に最終学歴や、結婚・離婚の有無、職歴を記入します。
結婚や離婚は、婚姻費用や慰謝料など多額のお金が動く要素になる事情ですので、借金との関係があるのかどうか確認されることとなります。
⑵ 職業について
職歴は収入に大きく関わってくるもので、これまでの借入れとの整合性が確認される情報になります。
当時の収入と比較して明らかに過大な借入れを行っているような場合だと、免責を受けられない可能性もあります。
現在の職業についてもやはり重要な事情になります。
個人再生は破産と違い、支払額こそ減少するものの今後も返済を行うことになりますので、きちんと返済を継続していけるのかどうかはしっかりと確認される部分です。
⑶ 生活状況について
個人再生の手続を行う場合にあたっては、直近数か月分の家計の状況について、内訳等を記したものを提出することになります。
そのため、この内容と矛盾がない生活状況なのかどうかが判断される部分となります。
一般的な家計と比較して、特に支出が多額に上る項目がある場合などは、そうなった理由をきちんと記載して、浪費や無駄な支出があると誤解されないようにする必要があります。
また、居住している家が持ち家なのか、賃貸なのかについても記載します。
賃貸の場合、誰が賃料を負担しているかについても記載が必要です。
4 個人再生の陳述書を書く際の注意点
当然のことではありますが、陳述書に虚偽の事実を書き入れることは絶対にしてはいけません。
後に虚偽が発覚してしまうと、申請が受理されなくなってしまい、個人再生手続が行えないこととなってしまいます。
後ろめたい事情がある場合など、どうしてもその部分を取り繕おうとしてしまう方もいらっしゃいますが、陳述書や申立書類に書かれた事情は、併せて提出する資料と照らし合わせて整合性の確認がとられることになりますので、虚偽の記載をすると必ず他の資料との間で矛盾が生じます。
特に、申立てにあたって提出することとなる金融機関の通帳の記載により、お金の動きは客観的に補足されることになりますので、虚偽の記載は簡単に露見することとなります。
5 個人再生について弁護士に相談
個人再生手続は申立書類の記載、添付資料の準備・取り付け、申立後の裁判所や再生委員とのやりとりなど、独力で行うのは非常に煩雑であるため、現実的には弁護士に依頼することとなるかと思います。
弁護士に依頼すれば、指示された資料の取付けや、家計の状況についてきちんと準備を行えば、その後は基本的に弁護士が手続を行ってくれることになります。
陳述書についても、ここまで諸々述べてきましたが、弁護士に依頼すれば、必要な事情を聞き取った弁護士が清書してくれることになりますので、書き方が分からない等の点について特に心配する必要はありません。
個人再生中に一部の債権者にだけ返済した場合 ハードシップ免責