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「個人再生ができるための条件」に関するお役立ち情報

会社経営者の個人再生

  • 文責:弁護士 森田清則
  • 最終更新日:2025年8月21日

1 会社経営されている方の個人再生の難しさ1-収入の不安定

会社経営されている方の個人再生は、サラリーマンとは異なる難しさがあります。

1つ目は、収入が不安定な方が多いことです。

会社経営されている方の収入は、会社から支給される役員報酬ですが、個人再生の相談に来られる方は、定められた役員報酬を現実に取得できていない方が多いです。

それは会社の経営状態が悪く、場合によっては個人の資金や借入れから会社の事業資金を捻出せざるを得ない方も多く、会社が役員報酬を支払う余裕がない、という方が、弁護士に相談するという傾向にあるので、やむをえないところがあります。

しかし、個人再生の手続きでは、手続き終了後に減額された借金の返済をしなければならず、裁判所はその返済を続けることができるかどうかを慎重に判断します。

収入が不安定であれば、裁判所としても、継続して返済することが難しいのではないかと考えますから、サラリーマンなど収入と支出が読みやすい方に比べると、将来的な返済能力があることをいかにして証明し、裁判所に認めてもらうかがカギになります。

2 会社経営されている方の個人再生の難しさ2-会社と個人の財産の混同

2つ目は、会社と個人の間でお金を混同してしまっているケースが多いことです。

会社の運転資金が足りないときに、代表者個人が会社にお金を貸し付けている方が多くいらっしゃいます。

また、会社の売上を個人の口座に指定したままの方や、会社の売上を個人の借金返済や生活費に充ててしまっている方もいらっしゃいます。

本来、会社の財産は会社の財産、代表者個人の財産は代表者個人の財産で区別して管理しなければならないのですが、それができていないことは珍しくありません。

個人再生の手続きでは、個人再生をする方の全財産がいくらなのかを把握する必要があり、その金額によっては借金の減少額が変動する可能性もあります。

例えば、会社名義の財産であっても、代表者個人の資産や借入れから購入したものであれば、実質的には代表者個人の財産であるとみなされる場合もありますので、会社の財産なのか代表者個人の財産なのかの分類は非常に難易度が高くなります。

また、会社に対して代表者個人が貸付けを行っている場合、会社に対する債権も財産の一つに含まれますので、金額によっては個人再生をしてもさほど借金の減額が得られないということもあり得ます。

3 会社経営されている方の個人再生の難しさ3-保証関係

3つ目は、代表者個人が会社の債務の連帯保証人をしているケースが多いことです。

個人再生では、すべての債務を対象にして整理しなければならないところ、代表者個人が負っている、会社の連帯保証債務も借金の一種ですので、これも個人再生に含めなければなりません。

そうすると、会社の債権者から、会社に対して債務の一括請求がなされたり、別の連帯保証人を立てるよう要求されたりする可能性があり、会社経営に悪影響を及ぼすことがあります。

また、代表者以外に、配偶者や親が保証人に入っている場合も多く、個人再生をすることでそれらの方へ請求が行ってしまうため、債務整理をためらう原因になることがあります。

4 会社経営されている方が個人再生を成功させるポイント

個人再生は、お住まいを管轄する裁判所に申請して、借金を減額してもらい,3~5年で返済する手続きです。

個人再生は、個人を対象にするので、会社自体は、個人再生はできませんが、代表者個人は個人再生できることもあります。

しかし、会社の債務の連帯保証をしている場合は、個人の連帯保証債務も減額の対象になる代わりに、会社に対して一括請求される可能性があるので、個人再生は非常に難しくなります。

ですから、個人再生される方が連帯保証されている債務が会社にないことが、一つ成功のポイントになります。

そして、役員報酬が定めどおり支給されているか、支給されていないならばその原因が改善できるか、代表者が会社に貸し付けている金額がどの程度あるか、会社自体の業績がポイントになります。

会社の決算書、資金繰り表、通帳等で、代表者個人が安定的に収入を得られることを示すことが、会社経営されている方の個人再生を成功させるポイントです。

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