「個人再生ができるための条件」に関するお役立ち情報
契約社員は個人再生できるのか
1 再生計画の認可には返済できる見込みがあることが必要
結論から言えば、契約社員の方であっても個人再生は可能です。
契約社員では個人再生ができないと思われる方がいらっしゃる理由として、個人再生に再生計画とそれに沿った返済が必要であるということが挙げられます。
個人再生は、現在抱えている借金の額を圧縮(減額)し、それを分割で支払っていくことによって借金の返済をするという制度です。
個人再生の手続きは、再生計画という返済の計画を立てて、その計画どおりに返済していくことができると裁判所が認めることにより、完了します。
つまり、減額された債務について「返済の見込みあり」と裁判所に認めてもらえなければ、個人再生は行えないということになります。
そうすると、正社員と比べて不安定な立場にある契約社員は、個人再生ができないのかと不安に思われることがあるかもしれません。
2 契約社員でも個人再生はできる
個人再生の手続きにあたっては、源泉徴収票や確定申告書等の収入を証明する資料を提出する必要があり、また、月々の収入・支出の内訳を記載した家計表を提出します。
これらの資料をもとに、裁判所は再生計画に従って返済していけるかどうかの判断をします。
たしかに、同じ勤務先でも正社員で安定した収入を得ている方が印象としてはいいですが、現在の勤務先が安定しており、継続して収入がもらえる環境にあるということが証明できれば、個人再生を行える見込みは十分あります。
例えば、自営業者であってもきちんと仕事をしていて、継続的に収入があることを資料から説明できれば問題ありません。
また、アルバイトやパート、フリーターでも継続的に安定した収入があることが資料から分かれば、裁判所が個人再生を認める可能性は十分にあります。
したがって、契約社員であっても当然、個人再生することは可能です。
もっとも、継続性・安定性という点から、契約の更新期間が短い場合は不利になる可能性があります。
3 どの程度の継続性・安定性が必要とされるのか
個人再生は、原則として3年(最長5年)かけて債務を返済する手続きであるため、3~5年後も一定の収入を得られるかという観点で継続性の判断がされます。
中には、特殊な雇用形態のため、毎月安定した収入が得られないという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、個人再生の再生計画による弁済は、最低3か月に1回以上であればよいとされていますので、上記のような場合でも年に4回まとまった資金を用意できるのであれば、安定性の面は問題ないといえます。
個人再生手続と債権者の同意 住宅資金特別条項を利用できない場合