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弁護士による個人再生

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会社経営者の個人再生

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2021年8月27日

1 会社経営されている方の債務整理の難しさ1-収入の不安定

会社経営されている方の債務整理は、サラリーマンとは異なる難しさがあります。

1つ目は、収入が不安定な方が多いことです。

会社経営されている方の収入は、会社から支給される役員報酬ですが、債務整理の相談に来られる方は、定められた役員報酬を現実に取得できていない方が多いです。

それは会社の経営状態が悪いから自力では借金がふくらむばかりという方が、弁護士を頼ってこられる傾向にあるので、やむをえないところがあります。

しかし、収入が不安定であれば、債権者としても、継続して払ってもらえないのではないかと考えますから、サラリーマンなど収入と支出が読みやすい方に比べると、話し合いは難しくなります。

2 会社経営されている方の債務整理の難しさ2-会社と個人の財産の混同

2つ目は、会社と個人の間でお金を混同してしまっているケースが多いことです。

会社の運転資金が足りないときに、代表者個人が会社にお金を貸し付けている方が多くいらっしゃいます。

また、会社の売上を個人の口座に指定したままの方や、会社の売上を個人の借金返済や生活費に充ててしまっている方もいらっしゃいます。

本来、会社の財産は会社の財産、代表者個人の財産は代表者個人の財産で区別して管理しなければならないのですが、それができていないことは珍しくありません。

債権者からすると、個人に返済能力がなくても、会社の財産や収入からもっと返済に充てられるのではないかと考え、やはり話し合いが難しくなります。

3 会社経営されている方の債務整理の難しさ3-保証関係

3つ目は、代表者個人が会社の債務の連帯保証人をしているケースが多いことです。

会社の連帯保証債務も借金の一種ですので、これも含めて整理しようとすると、会社経営に悪影響を及ぼすことがあります。

また、代表者以外に、配偶者や親が保証人に入っている場合も多く、債務整理をためらう原因になることがあります。

4 会社経営されている方が個人再生を成功させるポイント

個人再生は、お住まいを管轄する裁判所に申請して、借金を減額してもらい,3~5年で返済する手続きです。

個人再生は、個人を対象にするので、会社自体は、個人再生はできませんが、代表者個人は個人再生できることもあります。

しかし、会社の債務の連帯保証をしている場合は、個人の連帯保証債務も減額の対象になる代わりに、会社に対して一括請求される可能性があるので、個人再生は非常に難しくなります。

ですから、個人再生される方が連帯保証されている債務が会社にないことが、一つ成功のポイントになります。

そして、役員報酬が定めどおりとれているか、とれていないならばその原因が改善できるか、代表者が会社に貸し付けている金額がどの程度あるか、会社自体の業績がポイントになります。

会社の決算書、資金繰り表、通帳等で、代表者個人が安定的に収入を得られることを示すことが、会社経営されている方の個人再生を成功させるポイントです。

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