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弁護士による個人再生

「個人再生の手続き」に関するお役立ち情報

給与所得者等再生とは

  • 文責:弁護士 森田清則
  • 最終更新日:2025年4月30日

1 個人再生とは

個人再生は、裁判所で行われる債務整理の手段の一つです。

その手続については、民事再生法という法律に規定されており、これに従って行われることになります。

個人再生は、端的に説明すると、現在の資産や今後の収入では、すべての債務の返済が困難である状態の方が、裁判所に、税金や養育費などの例外を除く、すべての債務の返済額を大幅に免除してもらい、分割で支払っていく手続です。

個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。

参考リンク:裁判所・個人再生手続利用にあたって

個人再生のうちでも基本類型となるのが、小規模個人再生です。

給与所得者等再生は、小規模個人再生の特則という位置付けになります。

2 給与所得者等再生とは

給与所得者等再生は、サラリーマンのように将来的に確実に安定した収入を得る見込みがある個人の債務者のうち、無担保債権が5,000万円以下の方が対象となります。

再生債権を原則3年間で返済する再生計画案を作成し、それについて裁判所の許可を得た上で計画どおり履行することによって、再生計画で返済しない部分の債務を免除してもらう手続です。

3 給与所得者等再生を利用するための要件

⑴ 再生手続開始要件

給与所得者等再生手続を開始してもらうための要件は以下のとおりです。

①再生手続開始原因があること

②再生手続開始申立棄却事由がないこと

③申立てが適法であること

④債務者が個人であること

⑤債務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがある者であること

⑥負債総額が5000万円を超えていないこと

⑦給与またはこれに類する定期的な収入を得ていること

⑧定期的な収入の額の変動の幅が小さいと見込まれること

⑨過去の給与所得者等再生の再生計画が遂行された場合の当該再生計画認可決定確定日、ハードシップ免責がされた場合の当該再生計画認可決定確定日、破産免責許可決定確定日から7年以内にされた申立てでないこと

⑩給与所得者等再生を行うことを求める旨の申述をすること

⑵ 再生計画認可要件

給与所得者等再生の再生計画認可の要件は、以下のとおりです。

①再生手続に不備を補正できない重大な法律違反がないこと

②再生計画に不備を補正できない法律違反がないこと

③再生計画遂行の見込みがあること

④債務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがある者であること(利用適格要件)

⑤再生債権総額が5000万円を超えていないこと

⑥計画弁済総額が最低弁済額を下回っていないこと

⑦清算価値保障原則を充たしていること

⑧再生計画が再生債権者の一般の利益に反しないこと

⑨債務者に給与またはこれに類する定期的な収入を得ていること

⑩定期的な収入の額の変動の幅が小さいことが見込まれること

⑪過去の給与所得者等再生の再生計画が遂行された場合の当該再生計画認可決定確定日、ハードシップ免責がされた場合の当該再生計画認可決定確定日、破産免責許可決定確定日から7年以内にされた申立てでないこと

⑫計画弁済総額が可処分所得額の2年分以上であること

4 給与所得者等再生の効果

給与所得者等再生では、①100万円、②借金の金額の5分の1、③全財産の金額(清算価値といいます)、及び④可処分所得の2年分の4つの基準のうち一番高い金額まで借金の金額が減額されます。

そして、減額された金額を原則としては3年、特別な事情がある場合には5年で分割返済をすることになります。

給与所得者等再生の返済総額は、小規模個人再生に比べると大きくなることが多いです。

その一方で、給与所得者等再生には再生債権者による書面決議の制度がないため、再生計画案に反対する債権者がいると予想される場合には、その債権の金額等にもよりますが、給与所得者等再生の選択を検討することになります。

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