「個人再生と住宅」に関するお役立ち情報
個人再生における住宅資金特別条項
1 住宅資金特別条項
個人再生の大きな特徴として、裁判所を通じた債務整理手続きであると同時に、自己破産とは違い、自宅の土地建物を残せる可能性があることが挙げられます。
自宅を残すために用いられるものが、住宅資金特別条項です。
この条項により、住宅ローン以外の債務を圧縮の対象とし、住宅ローンは従前どおり支払い続けることで、自宅の土地建物に対する抵当権の実行等を回避することができます。
住宅資金特別条項の適用の仕方には、以下のものがあります。
2 約定型・正常返済型
債務者において、今まで住宅ローンの滞納がない場合、または裁判所による再生計画案の認可決定がなされるまでの間にこれまでの滞納が解消できる場合に、元の住宅ローンの契約どおりに支払いを行う方法です。
3 期限の利益回復型
債務者が今までに住宅ローンの滞納をしていた場合に適用される方法の一つです。
滞納分以外の債務については元の住宅ローンの契約どおりに支払いを行い、滞納分については元の住宅ローンの支払い終了までに、利息と遅延損害金を加算した上で、分割または一括で全額支払う方法です。
4 リスケジュール型
住宅ローンの返済計画自体を変更する形式です。
残り10年であったところを15年にするというように、完済までの期間を延長することで、月々の支払額を少なくし、元本、利息、遅延損害金の全額を支払う方法です。
5 元本猶予期間併用型
こちらも、住宅ローンの返済計画自体を変更する方式です。
リスケジュール型のように、完済までの期間を延長して月々の返済額を減らすことに加えて、住宅ローン以外の債権者に対する債務の支払いが終了するまでの間といった一定の期間の返済額をさらに減額し、後に残りの元本、利息、遅延損害金を支払う方法です。
このように、住宅資金特別条項には様々な種類があります。
約定型または期限の利益回復型が原則ではありますが、個々の状況によってその他の種類での適用となります。
ご自分の状況の場合、どの種類での適用となるのか知りたい方は弁護士へご確認ください。
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