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廃業した法人代表者の個人再生

  • 文責:弁護士 森田清則
  • 最終更新日:2026年1月26日

1 個人再生の特徴

借金を整理する方法には、任意整理、個人再生、自己破産と大きく分けて3つの方法があります。

個人再生は、裁判所を通じて債務を減額し、減額された債務を3年から5年かけて返済する手続きです。

任意整理に比べると、元金を減額することができる点に特徴があります。

また、自己破産に比べると、自宅や高額な車、解約返戻金のある生命保険等の財産を残すことが理論上可能である点にも特徴があります。

2 廃業した法人代表者の債務整理の方法

法人を立ち上げて事業をする中で借入れをしたが、うまくいかず廃業し、今はサラリーマンになっているという方は大勢いらっしゃいます。

このような方は、代表者として法人の債務の連帯保証人をしているため、初めからサラリーマンである方に比べ、債務額自体が多くなっているケースが多いです。

任意整理を行っても元金が減らないとなると、とても返済の目処が立たないことが多いといえます。

また、自己破産する場合、自宅や高額な車、解約返戻金がある生命保険等が失われることで、大きく生活状況が変わってしまうことも珍しくありません。

そこで、個人再生で債務を減額し、自宅や保険等を残しながら借金の整理をするというケースが多くなります。

3 廃業した法人代表者の個人再生の特徴

法人代表者の個人再生が、初めからサラリーマンの方より難しい点は、①債権者の多数決で反対される可能性がある点、②法人と代表者個人間で、金銭の貸し借りが行われることが多い点、③債務額が大きく、減額後の返済も大きくなりやすい点が挙げられます。

⑴ 債権者の多数決で反対される可能性がある点

個人再生のうち、小規模個人再生という手続きでは、債権者の書面決議を経る必要があり、債権者数の半数以上か、債務総額の2分の1以上を持つ債権者が反対をすると、個人再生が認められなくなってしまいます。

代表者の債務は法人の保証債務であり、信用保証協会や公庫・公社等、純粋な民間の金融機関とは異なる債権者が多くなることもありますし、メインで取引をしていた銀行に対して多く借入れがあり、その他の借金は少額であるということもあります。。

信用保証協会や公庫・公社等は消費者金融やカード会社に比べると、手続きに反対するケースもありますし、メインで取引をしていた銀行が総債務額の2分の1以上を持っていた場合、その銀行(ほとんどの場合、保証会社に債務が移ることになりますが)が書面決議で反対をすると小規模個人再生は認められなくなってしまいます。

ですから、債務を減額する必要性や、逆に個人再生によって債務を減額しても、結果として自己破産する場合より多く支払いが可能となること等を債権者に理解してもらうことが重要になります。

⑵ 金銭の貸し借りが行われることが多い点

法人の経営がうまくいかない場合、代表者個人が、自己の財産を処分したお金や、代表者個人名義での借入れを法人の経営資金に充てることがあります。

これは、代表者個人の法人に対する貸付金という財産になり、個人再生手続においては、法人から回収することが可能なのではないかという問題が生じます。

⑶ 債務額が大きく、減額後の返済も大きくなりやすい点

小規模個人再生では、債務額に応じて法律上定められた金額か、全財産に相当する金額のいずれか高い方の金額まで借金が減額されます。

前者については、借金が500万円未満であれば100万円、借金が500万円以上1500万円までであれば債務総額の5分の1、借金が1500万円以上3000万円までであれば300万円、借金が3000万円以上5000万円までであれば債務総額の10分の1、とされています。

法人代表者の場合、法人の保証債務も含めると、債務総額が高額になりやすい傾向にありますので、大幅に減額されるとはいえ、個人再生後に支払わなければならない金額も大きくなりやすく、サラリーマンの収入の中で支払うことができるかが課題になることもあります。

4 さいごに

このように、廃業した法人代表者の個人再生は、初めからサラリーマンだった方の個人再生とは異なる難しい点があります。

詳細は、弁護士までお尋ねください。

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