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給与所得者等再生で債権者に支払う金額

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2024年8月20日

1 小規模個人再生と給与所得者等再生

個人再生は債務整理の手法のひとつですが、正確には小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類が存在します。

このうち、給与所得者等再生には、債権者の債権額および債権者数の過半数の同意がなくとも手続きを進められるというメリットがあります。

債権額が大きい債権者が同意しないおそれがある場合、小規模個人再生ではなく、給与所得者等再生を選択するということがあります。

小規模個人再生の場合に支払う金額よりも可処分所得の2年分の金額の方が大きければ、その金額を支払う必要があります。

そのため、一般的には小規模個人再生の手続きよりも給与所得者等再生の方が、債権者に支払う金額が大きくなることが多いです。

2 可処分所得の2年分の金額とはどのように決まるのか

可処分所得は債務者の方が自由に計算できるわけではなく、計算方法が決められています(自由に計算できてしまうと、支出を増やすことにより返済額が下がってしまうためです。

可処分所得は、収入から生活保護費等の算定に使われる政令によって定められた最低生活費を控除した金額となります。

具体的には,債務者の方の2年分の収入から各2年分の所得税、住民税、社会保険料を差し引いた金額を2で割って、そこから1年分の最低生活費を控除した金額を2倍することにより算出します。

控除される最低生活費は比較的低額であることから、給与所得等再生における返済額は大きくなりやすいですいと考えられます。

なお、再生計画案提出前の2年前に5分の1以上の収入の変動があった場合や再生計画案提出前2年間の途中で給与所得者等再生の利用適格者(給与等の定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいとみこまれる者)となった場合には、収入額の変動があった時又は給与所得者になった時から再生計画案提出時までの収入を1年当たりの金額に換算した額を基準とすることになります。

ただし、給与所得者等の利用適格者は給与等の定期的な収入を得る見込みがあり、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれる必要があるので、過去2年以内に5分の1以上の収入の変動がある場合や、給与所得者となってからの期間が短い場合には、給与所得者等再生の利用適格者とみなされず、給与所得者等再生の手続きを行うことができない可能性もあります。

3 いくら払うことになるか計算いたします

給与所得者等再生における返済額の算定は、小規模個人再生に比べ、複雑な計算が必要となります。

そのため、給与所得者等再生を選択した場合にいくら払わないといけないかについては、債務者の方の収入状況などのご事情を詳しく伺わないとわからないところがあります。

当法人にご相談いただくと、個人再生を得意とする弁護士がお客様の年収や支出等についてお伺いし、給与所得者等再生で支払う金額の目安を算出させていただきます。

給与所得者等再生をお考えの方は、ぜひ、個人再生に強い弁護士が在籍している弁護士法人心にご相談ください。

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