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法人の代表をされている方の個人再生

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年12月11日

1 法人の破産と代表者の債務整理について

法人が自己破産した場合、法人代表者も必ず自己破産の手続きを選択しなければならないのでしょうか。

結論からいうと、必ずしもそうではありません。

法人代表者が住宅ローンの残っている自宅を手元に残したい場合、個人再生手続きを選択する余地があります。

しかし、法人代表者が個人再生手続きをする場合、一般のサラリーマンの事例と比べて注意すべき点が多いといえます。

以下で、その注意点を説明していきます。

2 法人代表者の個人再生手続きの注意点

⑴ 負債額が非常に大きくなる

法人の債務について、代表者が個人保証をしているケースが多いと思われます。

法人代表者が個人再生を検討する場合、法人の保証債務が個人再生における負債額に計上される結果、非常に高額の負債を前提とした手続きとなる可能性が高くなります。

仮に5000万円を超える負債額となった場合は個人再生手続きが利用できません。

ただし住宅ローンについては、この5000万円の基準には含まれません。

⑵ 安定した収入を得る手段を確保できるかどうか

法人代表者が法人の破産手続きを選択するなどして事業を廃止する場合、これまでに受け取っていた役員報酬等の収入がなくなります。

したがって、個人再生手続きの要件である継続的に収入を得ているという要件を満たすためには、新たな仕事を探す必要があります。

再就職が難航すると、個人再生手続きを断念せざるを得なくなる可能性も高まります。

⑶ 個人再生委員が選任される可能性が高い

法人代表者の個人再生手続きでは、一般的なサラリーマンの事例と比べて資産や負債が多くなりがちであり、かつ返済を継続できるかどうかという点にも上記のような問題が生じます。

このような観点から、通常は個人再生委員を選任しない運用となっている裁判所であっても、例外的に個人再生委員が選任される可能性が高くなります。

個人再生委員が選任されると、裁判所に費用を納める必要があり、この金額は15万円~20万円とされています。

3 個人再生を検討されている方へ

法人は破産し、代表者が個人再生手続きをするという選択をした場合ですが、成功事例は多いとまではいえません。

つまり、手続きのハードルがそれなりに高い選択であるといえます。

少しでも成功率を上げるためには、手続きに精通した弁護士に見通しも含めて相談し依頼を検討することをおすすめします。

個人再生を検討されている方は、個人再生を得意とする当法人の弁護士にご相談ください。

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