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個人再生に至る経緯や原因

  • 文責:弁護士 森田清則
  • 最終更新日:2024年11月13日

1 個人再生手続が必要になる原因

個人再生手続がその威力を発揮するのは、住宅資金特別条項を利用したときです。

住宅ローンの返済を継続することで自宅は維持しつつ、その他の負債について整理できるからです。

参考リンク:裁判所・個人再生手続利用にあたって

住宅ローンを組む際は、今後の生活も考慮し無理のない弁済額で組むべきではありますが、貸付先が減っている今日では、金融機関側も利益を得るためにできるだけ貸付を行おうとしますので、ファイナンシャルプランナー等の家計管理のプロフェッショナルから見ると、生活費が足りるのかどうか疑問符が付くような住宅ローンとなってしまっているケースもあります。

悪質なケースでは、住宅の購入金額全額を住宅ローンで貸し付けることはできないとして、不足分を利率の高いカードローンで貸し付けていることもあります。

結婚して子どもがいないケースでは、住宅ローンを組む際に子どもができるかどうかを考慮する必要がありますし、すでに子どもがいるケースでは、進学による学費の負担等も念頭に置く必要があります。

給料がなかなかあがらない昨今の日本経済の状況では、子どもができ、また子どもが成長して増えた生活費は、借り入れで補わなければならないことも生じます。

しかし、その借り入れはカードローン等の無担保融資またはクレジットカードのキャッシングですので、利率は高くなり、その返済が厳しくなることで他からも借りるようになってしまい、多重債務に陥ることがあります。

2 住宅ローンを借りるときが重要

各々の案件について個人再生に至る経緯を分析すると、住宅ローンを借りる際に、長期にわたる返済計画について十分に検討していなかったというケースが相当数あります。

経済環境の変化が激しい今日の社会では、同じ会社に10年20年と継続して勤務し、その間コンスタントに昇給するということは、一部の大手企業を除き難しくなっていますので、住宅ローンを組む際は、あらゆることを想定し、場合によってはファイナンシャルプランナーにも相談して決めるべきです。

3 家計の見直しが必要

個人再生を行ったとしても、住宅ローンは原則としてそのまま返済する必要があります。

個人再生を行うと、信用情報に事故情報が掲載され、新たな借り入れやクレジットカードの利用は当然できなくなりますので、給料の範囲内で生活ができるよう、家計を見直すことが重要となります。

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